The Guardian は独立系出版社で、世界で最も影響のあるメディア企業のひとつです。同社は月間1億人近いユニークビジターに情報を提供しています。2011年、The Guardian は「デジタルファースト」戦略を採用し、翌年までに同社のWebサイトは世界第3位のニュースサイトに成長しました。イギリスを拠点とする同社は米国版 (年間55%のトラフィック増) とオーストラリア版のサイトも展開しています。

The Guardian について
The Guardian は、自社アプリケーションをコントロールし、サイトトラフィックやパフォーマンスの可視性を高めたいと考えていました。また、自分たちで自由にサービスをプロビジョニングし、リアルタイムで細かく調整できる機能を必要としていました。さらに、高速な開発サイクルに対応し、ニュース速報を更新する際に迅速にスケールして安定したパフォーマンスを発揮できる CDN を求めていました。
The Guardian は Fastly をリアルタイムジャーナリズムに欠かせないツールと考えています。重大なニュースが発生してエッジサーバーから古くなったコンテンツを削除しなければならない場合、同社は Fastly の Instant Purge™ 機能を利用して、キャッシュから古いコンテンツを150ミリ秒で削除できます。
購読者数を競う世界的な報道機関の The Guardian にとって、速報をリアルタイムで更新しながら、トラフィックスパイクに対応できることが重要です。Fastly をサイトの前段に配置することで、同社は速報 (著名人の訃報など) によってリクエストが増えても、オリジンサーバーが過負荷になることはないという安心感が得られます。
ロイヤルベイビーの誕生時、The Guardian のトラフィックは1秒間に平均400件から1,000件以上にまで急増しました。Fastly は大量に発生する新規リクエストから The Guardian のオリジンサーバーを守り、世界中の読者に一貫したパフォーマンスを配信できるようサポートしました。
「いつニュースが発生するか分からないので、当社サイトのページに読者が押し寄せるタイミングを予測することはできません。そこで当社では、潜在的なスパイクに備えて多数のサーバーを待機させるのに費用をつぎ込む代わりに、Fastly をエッジキャッシュのプロバイダーとして採用することでオリジンの負荷を軽減しています。つまり、どれほどの人がサイトに押し寄せたとしても当社のサーバーに影響が出ることはないということです」
セルフプロビジョニングでコントロールを強化
The Guardian は Fastly を利用することで自社アプリケーションをコントロールしやすくなり、Fastly は HTML や API コールといった動的コンテンツをキャッシュして、同社のWebサイトのパフォーマンスを改善しています。Fastly の導入前、The Guardian は CDN を静的コンテンツにのみ利用していたため、オリジンから地理的に離れた読者のエクスペリエンスにレイテンシが生じていました。
「セルフプロビジョニングのおかげで作業が非常に簡単になりました。Fastly に依存することなく自分たちで変更できるので、より迅速な開発やリリースが可能になったのです」
Fastly では、カスタマーサポートに頼らずに新規サービスのセットアップ、新機能のテスト、問題のデバッグを自社で実施できます。Fastly のサービスを自社でカスタマイズできることで、The Guardian の新規プロダクトの開発速度が改善されました。
「私たちのシステムは非常に複雑なため、当社Webサイトのあらゆる特異性に対応できる Varnish のような強力なツールがない限り、CDN をシステムの前段に配置することはできませんでした。Fastly のサポートを頻繁に利用しましたが、常に対応が迅速でした」
ドメインを www.guardian.co.uk から www.theguardian.com へ移行する際、The Guardian は Fastly のセルフプロビジョニングサービスを利用してサイトの2つのバージョンを設定し、ベータ版に変更をデプロイして稼働版に対するテストを行うことができました。また、同社がサポートを必要とした際には、知識が豊富な Fastly のカスタマーサービスエンジニアが迅速にサポートしました。
「開発者は皆、コントロールしたがります。Fastly のおかげで当社は全スタックを完全にコントロールできるようになりました。通常、アプリケーションロジックの一部をサードパーティに引き渡した途端、ある程度のコントロールを失います。しかし Fastly では、エッジにあるロジックのコントロールを失うことがまったくありませんでした。この透明性とコントロール性のおかげで私たちは安心して Fastly のサービスを利用できます」
開発
Fastly の柔軟なアプリケーションにより、The Guardian をはじめとするお客様は自社の開発環境と CDN をシームレスに統合し、可視性の改善とより細かなコントロールを実現しています。The Guardian は、Fastly の API を使ってデプロイや GitHub との統合を自動化し、変更履歴の追跡と継続的な統合が可能になりました。デプロイを自動化することによって、変更を適用するために手動でファイルをアップロードする手間も省けます。
「Fastly のおかげで自動デプロイが可能になりました。GitHub リポジトリに VCL をコミットすると TeamCity でプロジェクトがビルド、テストされ、成果物が生成されます。この成果物は解凍され、ファイルは Fastly に自動的にプッシュされます。これは Fastly の API なしには不可能でした。変更を行うために誰かが手動で20件のファイルをブラウザへアップロードする必要がなくなりました。変更履歴を追跡でき、継続的な統合に繋げられる Fastly API は当社にとって非常に重要です」
Fastly では、お客様があらゆるエンドポイントにリアルタイムでログをストリーミングすることもできます。The Guardian は Fastly のログストリーミング機能を早期警告システムとして利用し、変更を自社サイトにデプロイした後の問題を検出しています。同社はログを S3 バケットにストリーミングし、それからロボット活動のログを解析してサイトへの変更が検索エンジンやソーシャルボットに影響を与えていないかを確認しています。
エッジでカスタムロジックを実行
The Guardian は国際的なニュースハブであるため、世界中の訪問者に対してデバイスの種類に関係なく優れたパフォーマンスを提供することが重要です。同社では Fastly を利用して読者に最も関連するニュースを配信しています。The Guardian は、位置情報ヘッダーをリクエストに追加して自社アプリケーションで処理することで、訪問者の位置情報に基づいて、米国、イギリス、オーストラリアの3つのエディションのいずれかを配信しています。
「Fastly ならリクエスト受信時にユーザーエージェントを確認し、それに応じてバックエンドを切り替えることができます。使用する URL の名前空間は1つだけで、モバイルやデスクトップでサブドメインを分ける必要がありません。これには、訪問者がリダイレクトされない、リクエストの処理に追加時間が発生しない、2つの URL の名前空間の間でパリティを維持する必要がないことなど、素晴らしいメリットがたくさんあります。最終的に古いレガシーシステムを停止して、応答性の高い新しいサイトを開始したら、設定がまったく不要になります」
エッジでカスタム VCL ロジックを実行することで The Guardian はリクエスト受信時に訪問者のユーザーエージェントも特定し、モバイル版またはデスクトップ版のバックエンドのいずれかのコンテンツを配信することができます。リクエストされたコンテンツをリダイレクトすることなく適切なバックエンドから配信することにより、単一ドメインから訪問者に大幅に改善されたユーザーエクスペリエンスを提供できるようになりました。The Guardian がドメインを統合してデスクトップとモバイルサイトを一元化した方法の詳細について、詳しくは同社の開発者ブログをご覧ください。