メディア
グローバル
利用開始 : 2013年3月
カスタム VCL
Fastly API
ストリーミングログ
動的コンテンツのキャッシュ
The Guardian は独立系出版社で、世界で最も影響力のあるメディア企業の1つです。同社は月間1億人近いビジターに情報を提供しています。2011年、The Guardian は「デジタルファースト」戦略を採用し、翌年までに同社の Web サイトは世界第3位のニュースサイトとしてランクインしました。イギリスを拠点とする同社は、米国版 (トラフィックが年間55 %増加) とオーストラリア版のニュースサイトも開始しました。
The Guardian では、自社アプリケーションのコントロールとサイトトラフィックやパフォーマンスの可視性の向上が求められていました。また、セルフプロビジョニングサービスの利用やリアルタイムで微調整を自由に行うことができ、最新ニュースの更新において迅速なスケーラビリティと信頼度の高いパフォーマンスを提供し、ニュースの高速な配信サイクルに対応できる CDN を必要としていました。
The Guardian は Fastly をリアルタイムジャーナリズムに欠かせないツールだと考えています。重大なニュースが発生してエッジサーバーから古いコンテンツを削除しなければならない場合、同社は Fastly のインスタントパージ機能を使うことでキャッシュから古いコンテンツを150ミリ秒で削除できます。
「Web サイトの前面に CDN を配置しても、キャッシュからコンテンツを瞬時に削除できなければ当社の編集チームの信頼を得るのは難しかったと思います。速報が発生して数秒でサイトに掲載できなければビジターは離脱します。Fastly のおかげでサイトのページを数ミリ秒で更新でき、最初の1バイトが到着するまでの時間 (TTFB) が世界中で20 %改善しました」 Matthew O'Brien 氏、Software Architect
購読者数を競う世界的な報道機関の The Guardian にとって、速報をリアルタイムで更新でき、かつトラフィックスパイクに対応できることが重要です。Fastly をサイトの前面に配置することで、同社は速報 (マーガレット・サッチャーの訃報など) でリクエストが増加しても、オリジンサーバーが過負荷になることはないという自信を得ることができました。
ロイヤルベイビーの誕生時、The Guardian のトラフィックは1秒間に平均400件から1,000件以上にまで急増しました。Fastly は大量に発生する新規リクエストから The Guardian のオリジンサーバーを守り、世界中の読者に一貫したパフォーマンスを配信できるようサポートしました。
「いつニュースが発生するか分からないので、当社サイトのページにビジターが押し寄せるタイミングを予測することはできません。そこで当社では、潜在的なスパイクに備えて多数のサーバーを待機させるのに費用をつぎ込む代わりに、Fastly をエッジキャッシュのプロバイダーとして採用することでオリジンの負荷を軽減しています。つまり、一度に大勢のビジターがサイトにアクセスしても、当社のサーバーには影響しないということです」
The Guardian は Fastly を利用することで自社アプリケーションのより優れたコントロールが可能になり、Fastly は HTML や API コールといった動的コンテンツをキャッシュして、同社の Web サイトのパフォーマンスを改善しています。Fastly の導入前、The Guardian は CDN を静的コンテンツにのみ利用していたので、オリジンから地理的に離れた読者のエクスペリエンスにレイテンシをもたらしていました。
「セルフプロビジョニングのおかげで作業が非常に簡単になりました。Fastly に依存することなく自社で変更を実行し、より迅速に開発やリリースを行えるようになりました」
Fastly を採用することで、お客様はカスタマーサポートに頼らずに新規サービスのセットアップ、新機能のテスト、問題のデバッグを自社で実施することができます。Fastly のサービスを自社でカスタマイズできることで、The Guardian の新規プロダクトの開発速度が改善されました。
「私たちのシステムは非常に複雑なため、当社 Web サイトのあらゆる特異性に対応できる Varnish のような強力なツールがない限り、CDN をシステムの前面に配置することはできませんでした。Fastly のサポートを頻繁に利用しましたが、常に対応が迅速でした」
ドメインを www.guardian.co.uk から www.theguardian.com へ移行する際、The Guardian は Fastly のセルフプロビジョニングサービスを利用してサイトの2つのバージョンを設定し、ベータ版に変更をデプロイして稼働版に対するテストを行うことができました。また、同社がサポートを必要とした際には、知識が豊富な Fastly のカスタマーサービスエンジニアが迅速にサポートしました。
「開発者にとってコントロール性は非常に重要です。Fastly のおかげで当社は全スタックを完全にコントロールできるようになりました。通常、アプリケーションロジックの一部をサードパーティに引き渡した途端、ある程度のコントロールを失います。でも Fastly では、エッジにあるロジックのコントロールを失うことがまったくありませんでした。この透明性とコントロール性のおかげで私たちは安心して Fastly のサービスを利用できます」
Fastly の柔軟なアプリケーションにより、The Guardian をはじめとするお客様は自社の開発環境と CDN をシームレスに統合し、可視性の改善とより細かなコントロールを実現しています。The Guardian では、Fastly の API を使用して自動デプロイや GitHub との統合を行い、変更履歴の追跡や継続的な統合が可能になりました。自動デプロイでは、変更を適用するために手動でファイルをアップロードする手間も省けます。
「Fastly のおかげで自動デプロイが可能になりました。GitHub リポジトリに VCL をコミットすると TeamCity でプロジェクトがビルド、テストされ、成果物が生成されます。この成果物は解凍され、ファイルは Fastly に自動的にプッシュされます。これは Fastly の API なしには実現できないことでした。変更を行うために誰かが手動で20件のファイルをブラウザへアップロードする必要がなくなりました。変更履歴を追跡でき、継続的な統合に繋げられる Fastly API は当社にとって非常に重要です」
Fastly では、お客様があらゆるエンドポイントにリアルタイムでログをストリーミングすることもできます。The Guardian は Fastly のログストリーミング機能を早期警告システムとして利用し、変更を自社サイトにデプロイした後の問題を検出しています。同社はログを S3 バケットにストリーミングし、ロボット活動に関するログを解析してサイトへの変更による検索エンジンやソーシャルボットへの影響を確認しています。
The Guardian は国際的なニュースハブであるため、世界中のビジターに、端末の種類に関係なく優れたパフォーマンスを提供することが重要です。同社では Fastly を利用して読者に最も関連するニュースを配信しています。The Guardian は、位置情報ヘッダーをリクエストに追加して自社アプリケーションで処理することで、訪問者の位置情報に基づいて、米国、イギリス、オーストラリアの3つのエディションのいずれかを配信しています。
「Fastly ならリクエスト受信時にユーザーエージェントを確認し、それに応じてバックエンドを切り替えることができます。使用する URL の名前空間は1つだけで、モバイルやデスクトップでサブドメインを分ける必要がありません。これには、ビジターがリダイレクトされない、リクエストへの追加時間がない、2つの URL の名前空間の間でパリティを維持する必要がないことなど、素晴らしいメリットがたくさんあります。最終的に古いレガシーシステムを停止して新規のレスポンシブサイトを開始したら、設定がまったく不要になります」
エッジでカスタム VCL ロジックを実行することで The Guardian はリクエスト受信時にビジターのユーザーエージェントも特定し、モバイル版またはデスクトップ版のバックエンドのいずれかのコンテンツを配信することができます。リクエストされたコンテンツをリダイレクトすることなく適切なバックエンドから配信することで、単一ドメインからビジターに大幅に改善されたエクスペリエンスを提供できるようになりました。The Guardian がドメインを統合し、デスクトップサイトとモバイルサイトを一元化した方法の詳細については、同社の開発者ブログをご覧ください。