AWS re:Invent を振り返って : より安全なサイバースペースの明るい未来に向けた基盤の構築

Fastly は先日、今年も盛況に終わった Amazon Web Services の年次カンファレンス「AWS re:Invent」に参加しました。今年は世界各地からクラウドコミュニティのメンバー5万人がラスベガスに集結し、業界の動向や AWS パートナーによる新しいサービスや機能について話し合いました。

このブログ記事では、同イベントから得た知見を元に、クラウドの導入から自動化まで、2023年に予想されるセキュリティ業界の主な4つの動向についてご紹介します。

1. 今後も衰えることのないサイバーセキュリティ専門家の需要

テック業界全体にわたる最近のレイオフに関するメディアの見出しは、影響を受ける従業員やその家族が受けるストレスを考えると、読むに耐えません。しかし、高度なスキルを持つセキュリティ専門家の不足は相変わらず深刻なため、優秀な人材はレイオフにあっても、テック業界が放っておかないでしょう。また、このような状況の変化により、大手テック企業が長く抱え込んでいた人材が再配分され、中小企業にもメリットがもたらされる可能性があります。苦境の合間に垣間見えるこれらの明るい兆候を利用して、組織が教育とトレーニングを通じて将来のサイバーセキュリティの専門家やリーダーのキャリアに投資することを検討するのもよいでしょう。  

2. 景気後退時に加速するクラウド導入の増加

他にも景気後退時に明るい兆しがあるとすれば、それは何でしょうか?多くの企業は、景気後退を研究開発に投資する最高の機会とみなしています。このような傾向は、過去の景気後退時にも見受けられました。賢明な企業はこの機会を利用し、変革に向けて慎重に再投資することで苦境を乗り越え、ビジネスの成長を実現してきました。

現在の経済的苦境においては、クラウド導入に投資する企業が増えることが予想されます。クラウドで実現できるアジリティや機能性の強化、オーバーヘッドの低減が、これまで以上に必要とされているためです。

しかし、企業が注目するのはクラウドテクノロジーだけではありません。2023年には多くの新しいテクノロジーが導入され、特に、より優れたカスタマーエクスペリエンスの提供を通じて企業を差別化できるテクノロジーの需要が高まるでしょう。

3. 自動化によってさらに容易になるセキュリティ対策

2023年も、Webサイトとアプリケーションがビジネスに不可欠なコンポーネントであり続けることに疑いの余地はありません。しかし、Webサイトは依然として最も狙われやすい攻撃対象です。そのため、企業が自社のシステムを再評価する際、Webサイトとアプリケーションを監査の対象とする必要があります。監査対象には、Webサイトの保護にかかる時間や必要となるセキュリティテクノロジーも含まれます。

時間とコストを節約する取り組みの一環として、SecOps チームがより困難なセキュリティ問題の解決に専念できるよう一部のタスクを自動化する企業が増えることが予想されます。次世代 WAF などのソリューションを追加することで、セキュリティ担当者の負担を軽減できるだけでなく、ビジネスにとって最も重要なデジタル資産とアプリケーションの保護が可能になります。

4. セキュリティアウトソーシングの般化

多くの業界で予算が縮小される一方、顧客の期待は高まるばかりです。また、さらに優れたエクスペリエンスを顧客に提供するとなると、より高度なセキュリティ対策が求められます。

従って、企業はセキュリティの運用とテクノロジーを監査する際、自社でセキュリティを管理すべきか、あるいはサードパーティのベンダーにアウトソーシングすべきかを自問することになります。

この質問に答えるために、ビジネスリーダーは社内でセキュリティを管理することのメリットとアウトソーシングの有効性を比較検討する必要があります。多くの企業、特に中小企業にとって、セキュリティに関する豊富な専門知識を持つサードパーティのベンダーにアウトソーシングする方が、長期的に見てより効率的で費用対効果の高い選択となります。

2023年はより優れた効率と効果を発揮し、互換性の高いセキュリティソリューションが主流に

今年の AWS re:Invent 参加者の間で最も関心が高かったテーマのひとつがセキュリティでした。景気後退が迫りつつある今、企業はセキュリティ運用を可能な限り効率化することに力を入れています。2023年が近づく中、いずれの企業も、事業の再評価と変革が求められる現在の状況によってもたらされる機会に焦点を当て、さらに強く生まれ変わる必要があります。

Fastly のソリューションに興味がおありの場合は、Fastlyエキスパートに問い合わせください。また、このブログでも2023年のセキュリティの動向についてさらに詳しい情報をご紹介していきますので、ぜひご期待ください。

Andrew Peterson
Signal Sciences 共同設立者兼 Fastly VP、Security Sales
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Andrew Peterson
Signal Sciences 共同設立者兼 Fastly VP、Security Sales

Andrew Peterson は Signal Sciences を共同設立し、Fastly のセキュリティセールスチームを統括する前は、Etsy、Google、Clinton Foundation などに勤務し、15年以上にわたり5大陸で、パフォーマンスに優れた最先端のプロダクトの開発とセールスチームをリードしてきました。著書『Cracking Security Misconceptions』の中では、セキュリティを専門とする以外の人々が組織のセキュリティに携わることを奨励しています。スタンフォード大学で Science、Technology、Society の学士号を取得しています。