アプリケーションオブザーバビリティの実装における課題

オブザーバビリティのプラクティスを導入することは組織に多くの利益をもたらしますが、これらのソリューションを成功裏に採用するためには注意すべき課題も存在します。アプリケーションオブザーバビリティを実装する際の一般的な課題を見ていきましょう。

1. データ量と管理

アプリケーションとインフラストラクチャの監視によって生じる膨大な量のテレメトリデータは、適切に管理されなければチームに多大な負担をかけることになってしまいます。大量のデータセットを保存・分析しつつ、データ保持と実用的なインサイトのバランスを取るには、慎重な計画が必要です。

2. ツールの選定と統合

さまざまなオブザーバビリティツールがある中で、特定のニーズに合い、既存のテクノロジーと統合できるものを選ぶのは難しい場合があります。このプロセスでは、最適な互換性と機能性を確保するために、徹底的な評価とテストが必要になります。

3. スキルギャップとトレーニング要件

オブザーバビリティのプラクティスでは、既存の従業員が持っていない可能性のある専門知識が必要になることがよくあります。ターゲットを絞った研修や能力開発プログラムでこれらのスキルギャップを解消するには時間とリソースの投資が必要ですが、長期的な運用上の成功には不可欠です。

4. プライバシーおよびセキュリティに関する懸念

膨大なデータを収集・保存する場合、CCPAEU-US DPFGDPR などの顧客情報保護規制により、コンプライアンス上の課題が生じます。コンプライアンスと顧客の信頼を維持するには、堅牢なデータ保護対策を実装することが重要です。

5. コスト面の考慮事項

オブザーバビリティソリューションを実装する場合、ツールのライセンス費用、データ収集・分析のためのインフラストラクチャ、追加の人員や研修費用などが予算を圧迫する可能性があります。これらの投資を正当化するには、慎重な財務計画と ROI 分析が必要です。

6. 文化的な抵抗

従来の監視から新しいオブザーバビリティのプラクティスへ移行する際、組織内で反発が生じる可能性があります。新しいプラクティスがチーム全体で受け入れられるようにし、それを採用できるよう促進するには、効果的なチェンジマネジメント戦略が不可欠です。

7. ノイズとアラート疲労

注意深く調整しないと、過剰なアラートがチームを圧倒し、重大な問題が見過ごされる可能性があります。本当に重要な問題を強調する効果的なアラートシステムを維持するためには、適切なしきい値とフィルターを慎重に設定することが必要です。

分散型システムの複雑さ

現代の分散型システムにおいて、マイクロサービスやサーバーレスコンポーネント全体で問題の追跡を行う場合、特有の課題が伴います。さまざまなソースから得たデータを効果的に関連付け、システムの挙動を包括的に理解するには、高度なテクニックが必要です。

Fastly がオブザーバビリティを実装する際の課題にどう対応できるか

Fastly の監視・オブザーバビリティ機能では、オブザーバビリティの実装における障壁を乗り越え、詳細かつリアルタイムなインサイトを獲得することができます。

Fastly は IT インフラストラクチャ全体の包括的なビューを提供します。Fastly のアプローチでは、リアルタイムログ、180種類のサービスレベル指標、Fastly プラットフォーム全体のトレーシング機能を統合することで、エンドツーエンドの可視性を実現しています。また、簡単に視覚化できるカスタマイズ可能なダッシュボードが、データの管理と情報に基づいた意思決定を支援します。

Fastly のオブザーバビリティ機能は多様なニーズに対応可能です。クラウドネイティブのスタートアップ企業から、複雑なハイブリッドマルチクラウド環境を管理するエンタープライズ企業まで、最適なソリューションを提供し、自信を持って運用を開始できるよう当社のチームがサポートします。

Fastly はサードパーティ統合と簡単に接続することができます。希望に合わせてアラートを設定するためのツールを提供しているほか、Datadog、New Relic、Splunk などの人気監視・分析ツールとも連携できます。

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