2021年そして未来に向けての製品ビジョン : 今踏み出す、明日への一歩

ダイナミックなショッピング体験から高品質の動画オンデマンドプラットフォーム、安全かつパーソナライズされたファイナンスサービスに至るまで、私たちのお客様はオンラインで信じられないような商品サービスを構築していますが、2020年ほどにその重要性と価値を実感した年もこれまでありませんでした。より高度な柔軟性やイノベーションそしてトランスフォーメーションが要求された2020年、私たちのお客様はその要求と期待に見事に応え、私たちにインスピレーションを与えてくれました。 

世界中が突如としてオンラインに移行したことで、革新的なデジタルソリューションの開発が一気に加速しました。そのペースは今後も留まるところを知らず、継続してゆくように思われます。過去10年間、私たちは Web アプリケーションの可視性やコントロール、そして拡張性を高めるツールを構築してきました。そして現在では、今後どのような課題に直面しても、よりスケーラブルでパフォーマンスの高いデジタル体験を、迅速かつ確実に構築するのに役立つ製品サービスを拡大していくための準備ができています。

そのためにも、私たちが今後目指していく製品ビジョンは、より高い視認性、繊細なコントロール、高性能なコンピューティング能力、独自の信頼性と安全性、あらゆるトラフィックの急増に対応可能な拡張性、そしてビジネス目標を達成する能力を提供するようデザインされています。2021年、私たちが重点を置いている分野を詳しく見ていきましょう。

4つの柱

安全

エッジで最高のユーザーエクスペリエンスを構築するには、当然、適切なツールが必要ですが、迅速かつ確実な構築を実現するには、もう1つ重要不可欠な事項があります。それはセキュリティです。セキュリティは、ワークフローの中核であり、そのように機能する必要があります。このため、2021年は以下の分野に注力していきます。

  • Fastly と Signal Sciences のセキュリティテクノロジーの粋を組み合わせて、次世代の Web アプリケーションと API 保護を実現する。

  • 検出および対策機能を提供することにより、お客様の Web サイトやアプリケーションを悪用やダウンタイムから保護する。

  • Fastly のエッジでエンドユーザー/クライアント認証を可能にする。

セキュリティロードマップには、マネージドセキュリティ、ボット対策、エッジレート制限、相互 TLS 認証などに加え、Secure@Edge のリリースも含まれています。Secure@Edge は Signal Sciences Fastly セキュリティポートフォリオを統合し、 ランタイム保護、レート制限、ボット対策、次世代 WAF など、堅牢な Web アプリケーションと API 保護のセキュリティソリューションを形成します。 

SecureEdge

コンピューティング

セキュリティの次に必要なのは、自分達で思いつくよりも先に何をエッジで構築すべきかについてインスピレーションを与えてくれるツールとプリミティブです。私たちのサーバーレスコンピューティング環境である Compute@Edge は、現在ライブの本番環境トラフィックをプラットフォーム上で実行しています。2021年には、一般公開版 (General Availability) に向けた取り組みを続けていく予定です。

Compute@Edge は非常に優れた可観測性を提供し、言語やクラウドに依存しません。また、スタックの統合パーツとして、デベロッパーが使いやすいツールを使用することが可能です。この調子で、以下のような2021年の主要分野に引き継いでいきます。 

  • プラットフォームの成熟に向けて継続的に取り組む。

  • ビルダーが Compute@Edge で複雑なステートフルワークフローを迅速かつセキュアに構築できるようにする。

  • Compute@Edge のゲスト API に高度なキャッシュコントロールを追加して、CDN 拡張ユースケースをサポートする。

  • 使い慣れた言語やツールをサポートして、ビルダーのスキルセットに関係なくプラットフォームを活用できるようにする。

来年予定されている Compute@Edge のロードマップ項目には、一般公開版(General Availability)、キー/値ストア、フルキャッシュコントロール API、言語の追加、ローカル開発/テスト環境に向けた継続作業などが含まれています。 

パフォーマンス

ストーリーの中心にあるのはネットワークです。私たちは今後もイノベーションを続け、パフォーマンスと拡張に投資し続けます。2021年にはネットワークの基盤をさらに進化させ、成長、キャパシティ、スピードを次の段階へと推し進めていきます。 

私たちにも大きなメリットがありますが、メディア事業の客様にとっては不可欠なものでもあります。ストリーミング事業の客様は今年も爆発的な成長を遂げており、私たちに数多くの挑戦や刺激を与え、新たな高みへと押し上げています。 

2021年も、新しい POP デザイン、新しいハードウェアの最適化、ネットワークオートメーションの大幅な改善、ネットワークの拡大など、ネットワーク上でのイノベーションを推進していきます。その他の主な分野としては、以下のようなものがあります。

  • オリジンからの過剰な配信コストに関するお客様の懸念に対応するための、革新的なソリューションを提供する。

  • Compute@Edge を活用して、ダイナミックな広告挿入や低レイテンシの HTTP ライブストリーミングなど、新しい動画機能やその他のメディアソリューションを構築する。

  • シームレスなストリーミングイベント機能のための監視機能を強化する。

オブザベーション

アプリケーションは確実に複雑化しています。複数のマイクロサービスを含み、複数のクラウド上で実行され、複数の CDN を利用しているのが通常です。異種混在、そして分散化が進むシステム全体のパフォーマンスをエンドツーエンドで把握することは簡単なことではありません。 

2021年における私達の新しい投資分野は、オブザーバビリティ (観測可能性) です。私たちは長いこと、確実なサービスを構築し提供するには、可視性が欠かせないという信念を持ち続けてきましたが、お客様とともにリアルタイムログの作成に取り組んでいる際に、観測可能性にももっと投資してほしいという要望を受けました。お客様からの要望には応えなくてはなりません。 

来る新年には、既存のロギング機能と統計機能に追加して、高度な分析機能とアラート機能を提供する予定です。私たちの目標は、お客様が有意義なアクションを行えるよう、迅速にインテリジェンスを提供することです。その他の主な分野としては、以下のようなものがあります。

  • カスタムメトリクスで新しいメカニズムを動的に定義し、カウントするための柔軟なメカニズムを提供する。

  • Origin Insights を展開して、より詳細で、リアルタイムな、過去のオリジンデータを公開する。

  • サービスまたは顧客レベルの基準に基づき、お客様が通知を受け取ったり、アラートをトリガーできるようにする。

  • お客様の国のデータ保護法に準拠した地域でログ処理を行うことができるようにする。 

  • お客様とパートナーの驚異的な成長に合わせて、API とインフラストラクチャの拡張を続ける。

今後について

この1年は、確かにエキサイティングなイノベーションの年でした。また、すべての人々やビジネスにとって、チャレンジの年でもありました。2021年に大規模かつ重要な成長戦略に取り組む中で、Fastly にとって1つだけ変わらないことがあります。それは、常にお客様のニーズを先取りして構築する、ということです。 

Fastly はお客様にお約束します。より安全でパフォーマンスの高いアプリケーションの構築を支援するため、常に新しいツールをお客様のツールキットに追加し続けること、そして既存ツールの性能を高めていくことを。お客様へのアカウンタビリティを果たし、コミュニケーションを常に絶やしません。共に、Web が提供する最高で最も安全なエクスペリエンスを構築していきましょう。

このブログ記事は、2020年11月に開催された Altitude のカスタマーサミットで行われた講演を元に作成しました。Fastly とインターネットの未来に関するバーチャルイベントでの講演はこちらからご覧いただけます。


この記事には、Fastly の想定や仮定、およびこの記事の発表日の時点において Fastly が入手している情報に基づいた「将来の見通し」に関する記述が含まれています。将来の見通しに関する記述には、既知および未知のリスク、不確実性、ならびにその他の要因が影響する場合があり、これらによって実際の結果、パフォーマンス、または成果が同記述において明示的または暗示的に示されたものと大きく異なるものとなる可能性があります。これらの記述には、将来の製品提供、当社の事業の方向性と戦略、将来の事業のビジョンと目的に関する記述が含まれますが、これらに限定されません。法律の規定による場合を除き、Fastly はこれらの将来の見通しに関する記述を公に更新する義務、および実際の結果が同記述において予想されたものと大きく異なる可能性がある理由について更新する義務を負いません。これは、将来に新しい情報が入手可能になった場合でも同様です。Fastly における実際の結果が大きく異なるものになる可能性を生じさせ得る重要な要因は、Fastly が米国証券取引委員会 (SEC) に提出した年次レポート (2019年12月31日に終了した事業年度の Form 10-K による年次報告書および Form 10-Q による四半期報告書を含む) に随時詳述されています。SEC に提出したレポートのコピーは Fastly の Web サイトに掲載されており、また Fastly から無料で入手していただけます。

Dana Wolf
FastlySVP Product and Marketing
投稿日

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Dana Wolf
FastlySVP Product and Marketing

Dana Wolf は Fastly の SVP of Product and Marketing として、セキュリティやコンプライアンス関連のソリューションを含む、Fastly のエッジクラウドプラットフォームのプロダクト戦略とその実行を指揮しています。彼女はセキュリティとコンプライアンスの提供を含む、Fastly のエッジクラウドプラットフォームの製品戦略と実行を推進する責任者です。セキュリティ分野で15年以上の経験を持つ Dana は、仮想化とクラウドのセキュリティ対策、高度なセキュリティ運用、ハードウェアの信頼性、GRC (ガバナンス、リスク、コンプライアンス) を専門としています。Fastly 入社前は、OpenDNS (後にCisco により買収) でクラウドセキュリティ製品ラインの Head of Product を務めていました。またそれ以前は、Rapid7 と RSA でプロダクトおよびエンジニアリングチームを統括しました。

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