Precision Path によるネットワークの可用性の向上

約1年前、Fastly は Fastly のエッジクラウドプラットフォームからコンテンツをリクエストしているユーザーの接続性を向上させる方法として、高速パスフェイルオーバーテクノロジーを発表しました。そして本日、お客様のオリジンサーバーと Fastly ネットワーク間のインターネットパスパフォーマンスの改善に焦点を当てたテクノロジーを、このソリューションに追加します。

これらのテクノロジーを組み合わせることで、Precision Path はユーザーと Fastly 間、そしてオリジンと Fastly 間の接続を網羅できるようになります。Fastly プラットフォーム全体にデプロイされた Precision Path は、すべてのお客様に以下の機能を提供します。

  • オリジンサーバーリクエストの一時的なプロバイダ問題からの保護を強化。

  • エンドユーザーに向けてより強固なコンテンツ配信を実現。 

さらに Precision Path は、Fastly ネットワーク上のすべてのトラフィックに対し、自己修復機能および完全自動リアルタイム障害検出と対策を提供します。これですべての問題が解決するわけではありませんが、そのビジョンに大きく近づきつつあります。 

ではその仕組みをご紹介しましょう。

課題 : インターネットが「悪天候」の場合

インターネット停止の規模は様々です。中には世界的に注目されるほど大規模なものもありますが、たいていは通り雨のようにすぐ解決します。それでも、パフォーマンス低下を引き起こす場合もあります。パフォーマンス低下が発生すると、Fastly (または任意のコンテンツ配信プロバイダー) は、新しいコンテンツや更新されたコンテンツを適時入手するため、お客様のオリジンサービスにアクセスできなくなる可能性があります。その結果、エンドユーザーに5xx HTTP サーバーエラーが発生します。  

世界中のインターネットトランジットプロバイダーは通常、1日につき数回から数百回もの過渡的な接続低下やパフォーマンス低下を経験しており、これは一般に「インターネットウェザー」と呼ばれます。世界中のネットワークトラフィックの分析によると、エンドユーザーに配信されるオリジンフェッチエラーの大部分は、私たちとお客様のオリジン間で発生する一時的なキャリア問題に起因することが分かっています。BGP ルーティングの変更など、現在解決策として使用されているテクノロジーは、これら小規模な障害を解決するには大きすぎ、BGP の変更が伝播される前に問題自体が解消されてしまうことが少なくありません。

解決策 : Precision Pathよるソリューション

Precision Path を使用することで、Fastly はオリジン接続の問題をリアルタイムで自動的に検出してルーティングし、エラーを大幅に削減してエンドユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。Precision Path は現在、すべてのお客様の配信プラットフォームの一部として含まれています。

では、実際どのように機能するのでしょうか?過渡的なパスの劣化に対する、Precision Path の対応は以下の通りです。

  • オリジン接続の問題を検出する。

  • 影響を受けたオリジンへのキャリアの自動再ルーティングなど、リアルタイム対策ツールをトリガーする。 

  • これらのイベントと対策の結果をタイムリーに可視化する。

PrecisionPath-Updated

つまり、Precision Path は全世界の Fastly POP オリジン接続を常にモニタリングしています。パフォーマンスの低いオリジン接続を検出した場合、影響を受けるオリジンへのすべての代替パスを自動識別して、最適な代替パスに再ルーティングします。すべてリアルタイムで行われるため、5xx エラーがエンドユーザーに届く前に、正常なオリジン接続の再確立が可能となるのです。 

インターネット配信を従来のサプライチェーンに例えると、Precision Path の高速パス再ルーティングは、道路ナビゲーションソフトウェアを使って高速道路の交通渋滞を回避し、目的地までの最適ルートを提示する (エッジツーユーザー輻輳を解決する) のに似ています。Precision Path による新しいオリジン接続再ルーティングは、言わば、出荷施設 (POP) の代替高速道路にローディングドックを開くようなものです。

Precision Path を使うことで、オリジンサーバーからユーザーへのコンテンツ配信に最もパフォーマンスの高いインターネットパスを、エンドツーエンドで自動選択することが可能になります。2020年3月からこの新しいテクノロジーをテストしてきましたが、最近のプロバイダー固有のネットワークイベントでは、短期機能停止の影響を受けたデータセンターの大量トラフィックを自動的に代替パスへ移行させるなど、非常に印象的な結果が得られました。Precision Path ですべての問題が解決するわけではありませんが、インフラストラクチャのエッジを超え、信頼性とパフォーマンスをより一層向上させることができたと自負しています。

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Rob Bushell
Senior Product Manager
投稿日

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Rob Bushell
Senior Product Manager

Rob は Fastly の Senior Product Manager として Delivery and Platform チームに在籍し、ネットワーキングとインフラの分野に注力しています。

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