2017年第3四半期～2017年第4四半期

Fastly のお客様ならびに関係者の皆様へ

第4四半期には、いくつかの新機能を追加し、ネットワークを拡張してから、待ち望んでいた休暇を迎えました。新機能にはビデオ機能 (HEVC)、セキュリティ (WAF 更新)、ユーザー管理などの強化が含まれます。また、南アフリカ、日本、北米で新しい POP も開設しました。この四半期までの取り組みについては、以下をご覧ください。

目次

• POP の追加と強化


• ネットワーク容量の更新


• High Efficiency Video Coding (HEVC)


• WAF ルールの更新


• Private Edge Dictionaries


• イメージオプティマイザー : アルファ付き8ビット PNG のサポート


• ロールベースアクセスコントロール (RBAC)

POP の追加と強化 : ケープタウン、コロンバス、および最新鋭の100GEに対応する東京 POP

今四半期は、密接に接続されている地域への強力な POP の構築を継続し、12月だけで3か所の新 POP を開設しました。南アフリカではケープタウンに新しい POP を開設して拠点を拡張しました。また、インターネットの従来のコアハブであるオハイオ州コロンバスには、周辺地域でのデータ消費量の大幅な増加に対応するように POP を追加しました。東京の100GE対応最新 POP は、この地域のお客様の成長を支えるためにさらなる容量を提供します。

豆知識 : ヨハネスブルグとケープタウンの距離は、オハイオ州コロンバスとテキサス州ダラスの距離、あるいはフランスのパリとスペインのマドリッドの距離とほぼ同じです。

テキサス州ダラスと英国ロンドンの POP を25/100GEアーキテクチャにアップグレードしました。これにより、キャッシュ容量とサーバー容量が増えるとともに、ネットワーク容量が大幅に増大します。大阪のデプロイメントを全面的に見直し、新しいキャッシュサーバーと最新のネットワーク機器を設置しました。また、既存の東京とストックホルムの POP にはサーバー容量とキャッシュ容量を追加しました。

ネットワーク容量の更新 : 20 Tbpsに到達

Fastly は、お客様の成長に合わせてサポートできるように慎重に拡張する取り組みの中で、全世界でのエッジ容量が20 Tbpsに到達しました。私たちは、最新の25/100GEアーキテクチャ、戦略的な POP デプロイメント、および POP の絶え間ないアップグレードを導入しつつ、10か月足らずでエッジ容量を倍増するという困難な仕事をやり遂げました。20 Tbpsといっても理解しにくいかもしれません。仮にこれだけの容量の回線を自宅に設置したとすると、米国大手ストリーミングプロバイダーの600時間分のオリジナルコンテンツカタログ全体を9分でダウンロードできるのです。技術に詳しい方向けに説明すると、解像度1080Pで平均ビットレート5 Mbpsを使用すると600時間になりますが、合計およそ1.35PBを20 Tbpsで送れば9分しかかからないのです。

HEVC のサポートにより帯域を50%削減

今年の WWDC において、Apple は iOS 11 の HTTP Live Streaming (HLS) で High Efficiency Video Coding (HEVC すなわち H.265) ビデオコーデックをサポートすることを発表しました。HEVC は、ビデオ品質を損なわずに帯域を最大50%削減できる次世代コーデックです。これを使用すれば、オンラインビデオ配信業者は、現在の1080p解像度のコンテンツと比べて帯域を増やさなくても、Ultra High Definition (UHD すなわち 4K) コンテンツを加えられるようになります。

Apple がサポートするのは、ビデオセグメント用の断片化された MP4 (fMP4) コンテナーに対応する HEVC コーデックのみです。第3四半期には、Fastly のビデオオンデマンド用の On-The-Fly Packager (OTFP) に fMP4 のサポートが追加されました。このリリースで、OTFP は fMP4 コンテナーでの HEVC コーデックパッケージングもサポートします。これにより、お客様は配信ワークフローを変更せずに UHD コンテンツを加入者に配信することができます。さらに、OTFP では MPEG-DASH 対応の HEVC コーデックもサポートします。詳細については、OTFP のドキュメントを参照してください。

Apache Struts の脆弱性に対して保護する WAF ルールの更新

最近の脅威に対応するため、悪名高い Equifax 情報漏洩事件を引き起こした Apache Struts の脆弱性から Fastly WAF のお客様を保護する新しいルールを追加しました。また、最新の OWASP 3.0.2および Trustwave ルールセットに対するグローバルアップデートもリリースしました。これは、ルールの精度を高めて、誤検出を削減するものです。詳細については、WAF ルールセットのドキュメントでルールセットのメンテナンスに関するページをご覧ください。

Private Edge Dictionaries を使用したサービスの簡素化とセキュリティ保護

キーと値のペアの情報を格納するための Private Edge Dictionaries を発表しました。これは、Fastly API で読み取ることはできず、生成された VCL にも表示されません。Private Edge Dictionaries は、格納データを一括で読み取ってはならない場合、または難読化のメリットがあるデータに対して使用してください。いったん作成した Private Edge Dictionary は一般にアクセス可能な標準の Edge Dictionary に変換できないことに注意する必要があります。詳細については、Private Edge Dictionaries のドキュメントを参照してください。

イメージオプティマイザー : アルファ付き8ビット PNG のサポート

Fastly イメージオプティマイザーで、PNG 画像の配信がサポートされるようになりました。画像の透過性を維持しながら8ビットに最適化できます。多くの場合、この最適化では、見た目の品質は変わらずにファイルサイズを最大で70%削減することができます。詳細については、画像最適化のドキュメントを参照してください。

ロールベースアクセスコントロール (RBAC) を使用したきめ細かいユーザー管理

誰がサービスを設定できるかをきめ細かく管理できるように、一連の新しいユーザー管理機能を一般公開版で提供しました。ロールベースアクセスコントロール (RBAC) 1.0を使用すると、チームは、Fastly 設定の管理のためにアクセスを拡張する一方で、ユーザーが必要な権限のみを利用するようにできます。このようなレベルのは、複数のサービスを管理する大規模なチームにとって特に役立ちます。詳細については、RBAC のドキュメントを参照してください。