停電、攻撃、レジリエンスの必要性
開発者マーケティング担当シニアディレクター
今四半期はクラウドの大規模障害が続出し、経済全体がオンラインサービスにどれほど依存しているかを痛感させられました。たった一つの設定ミスやソフトウェア障害で、自社のビジネスや依存するサービスが停止する可能性があります。Fastly では、複雑なシステムは複雑な形で障害を起こし、誰もその影響を免れないと考えています。
11月18日の朝、広く告知されたサービス停止と同時に、複数の高度な DDoS 攻撃が Fastly のプラットフォームを標的にしましたが、失敗に終わりました。同時に、他のプロバイダーの障害により、複数の大手顧客が数十ペタバイトのトラフィックを Fastly に移行しました。
約1時間にわたる攻撃と、それとは無関係の並行する急激なトラフィック変動を確認できます :
これと並行して Fastly プラットフォームに対する標的型攻撃も発生していました
これらの事象 – 高度な攻撃軽減と大規模トラフィックのフェイルオーバー – は同時に発生しましたが、エンドユーザーへの影響はありませんでした。現代的なグローバルプラットフォームを運用する上で、セキュリティ事象と顧客パフォーマンスは、単一のレジリエンスミッションへと融合するのです。
当社は世界最大級の本番環境プラットフォームを運営しているため、パフォーマンスとセキュリティを分離して考えることはできません。ここ数ヶ月の出来事から、レジリエンスはもはや予備策として扱えないことが明らかになりました。それは設計原則でなければなりません。
レジリエンスを実現するマルチベンダー戦略
これらの障害を踏まえると、マルチベンダー戦略はもはや任意の選択肢ではありません。
ISP、電話会社、ケーブル会社、クラウドプロバイダー、コンテンツ配信ネットワークのいずれを評価する場合でも、マルチベンダーアーキテクチャは、プロバイダーのダウンタイムの削減、停止回数の削減、グローバルなスケーラビリティ、そしてより優れたレジリエンスを提供します。これにより、顧客は最高のユーザーエクスペリエンスを享受できます。マルチベンダー戦略は、冗長性、セキュリティ、パフォーマンス面での優位性を高め、リスクを効果的に分散させ、複雑な多要素インシデントシナリオに対するレジリエンスを強化します。適切なインフラストラクチャプロバイダーを導入することで、組織は戦略的に障害を回避し、ボトルネックを迂回し、アプリケーションを迅速かつ最高の忠実度で提供できます。これにより、ダウンタイムに関連するリスクとコストを削減しつつ、強固なセキュリティ体制を維持することが可能になります。
毎日トラフィックを生み出すプラットフォームの選び方
適切なマルチベンダーソリューションを導入することで、証拠に基づいた意思決定が可能になります。最も速く、最も安定したプロバイダーが、システムの細部を絶えず改善することで、長期的には優位に立ちます。当社の顧客の多くはマルチベンダーアーキテクチャを採用していますが、それは当社が熟知し、得意とする環境です。
つまり、すべてのプロバイダーは約束した内容だけでなく、パフォーマンスに基づいてトラフィックを獲得する必要があります。当社のシステムはは、他のプラットフォームに問題が発生しトラフィックが急激にシフトしても、躊躇なくその追加の負荷を吸収します。不測の事態に備えることは、大規模な現代的インフラストラクチャを運用する上で重要な要素の1つなのです。
プラットフォームは、障害が発生することを想定して設計する必要があります。重要なのは、それらがどのように対応するかです。
実際には、この視点で設計されたプラットフォームは以下の重要な要件を念頭に置くべきです。
可用性と整合性をオプションのレイヤーではなく、第一の設計制約として扱う
需要の急激な変化や予期せぬ急増があっても予測可能なパフォーマンスを維持する
正当なユーザーの可用性を犠牲にすることなく、大量の攻撃トラフィックを軽減する
不要なレイテンシを生じさせずにインターネット規模の変動に適応する
フェイルオーバーまたは依存関係の中断時に高負荷状態を維持する
これらの能力は単発の出来事によって定義されるものではなく、アーキテクチャ上の選択、運用上の規律、そして長期にわたる継続的な改良から生まれます。
最近の混乱によりインフラストラクチャのアプローチを再評価しているなら、Fastly がレジリエントな設計のベストプラクティスをガイドいたします。この分野で信頼されているプレイヤーかつアドバイザーとしての当社の立場から、高可用性とレジリエンスの最適化に向けた取り組みにおいて、安心感を得られるようお手伝いします。共に素晴らしいものを構築していきましょう。
Fastly のレジリエンスの仕組みの詳細については、以下の追加リソースもご覧ください。