2019年におけるインターネットの変化 (および2020年の予測)

今年のインターネットを巡る状況として、近代プロトコルの採用増加からグローバルな高速インターネットの範囲と機能の成長に至るまで、非常に驚くべき進歩がありました。こういった変化は、Fastly コミュニティに在籍する技術リーダーや革新的な開発者達による挑戦や成功も含め、2020年も引き続き Fastly を駆り立てるものです。このような変化は、私たちが構築すべきもの、そしてインターネット全体の方向性を示すものです。Fastly は、このような変化に対する独自の見解 (当社の優秀なトップエンジニアの多くは取締役会や取締役会をガイドするワーキンググループに所属しており、より優れた安全で高速なインターネットというのは創業時からの Fastly のビジョンの核です) を持っているため、「Behind the screens」という独自の回顧録を作成しました。これはオンラインで最も注目すべき変化や、翌年開発者にとって意味のあることは何かに関する私たちの洞察を共有することを目的としています。

「Behind the screens」で取り上げる重要な瞬間に加え、私が2019年に得た大きなテイクアウェイを共有したいと考えています。大きく3つあり、さらにプログラミングの未来に対する予測もあります。

根本的なプロトコル改善

私が注目した最初の大きな変化は、プロトコルやシステムのインターネット上での変更や改善に対する興味が大幅に増加しているということです。プロトコルは変更不可能という観点から離れ、開発者が開発を進めているいう事実は、コミュニティが実際に近代化に関わることができるということを意味しています。私たちは今、30年前の利用形態に基づいて作成されたインターネットプロトコルを、今日のインターネット在り方に合うように必要なアップグレード重ねているのです(QUIC はその代表例です)。これは、ユーザーにとってはプライバシーの改善やより良いオンライン体験、そしてより優れたセキュリティが実現する成功例であり、また日常的に上質のインターネット構築に寄与したい開発者にとっての成功例でもあります。

あらゆる場面での暗号化

注視すべきもう1つの動きに、あらゆる場面での暗号化の効果があります。この変化はプライバシーとセキュリティの両方にとって大きなメリットであることがよく知られています。インターネットは長年この変化を必要としていたので、クリティカルマスに到達したことを非常に喜ばしく思っています。

しかし、この変化は単にすべてがより安全になったということを意味しているだけではなく、すべてがこれまでよりも変化しやすくなったということも示唆しています。これは私たち全員にとって非常に嬉しいことです。暗号化を実施すると、プロトコルがはるかに変化しやすくなります。エンドツーエンドの暗号化が意味するのは、トラフィックの監視者 (ISP、ネットワークオプティマイザー、ミドルボックスなど) がプロトコルに関する推測を行えないということです。最終的に、これはサーバーとクライアントがどちらも同じプロトコルを使用する場合、相互の通信が可能になるということを意味します。したがって、より頻繁にコアプロトコルの定期的な更新を行い、最新の状態を維持することが可能になります。

ブラウザ外の WebAssembly

私が最もワクワクしている変化がこれです。サーバー上のエッジに WebAssembly (Wasm) というのは、もはやおかしなことではなくなり、今や広く話題になっています。Bytecode Alliance の立ち上げに伴い、WebAssembly のブラウザ外での利用がこの非常に大きな企業グループの主な目標の1つになっています。

Wasm のゴールは、開発者が慣れた環境で自分が既に知っている言語を使って記述できるようになること、そしてプログラムをどこででも実行できるようにすることです。そして、これは時計で実行するプログラムを記述する特別な組込みシステムの開発者になる必要もなければ、数千ものエッジノードで同時にコードを実行する分散型システムのプログラマーになる必要もないということを意味します。自分の既存の知識を新規ドメイン全体に利用できるのです。

今後の展望

一気に起こったこれらの進歩はすべて、私たちをプログラミングの新時代に適用させるものです。想像してみてください。自分が記述して実行するコードが、意図していた場所だけでなく別のプラットフォーム全体に大規模に適用されることを。また、自宅のネットワークでに接続しているノートパソコンや時計、テレビ、カメラの場合を考えてみてください。言うまでもなく、エッジでもサーバーでも、そして他の場所ででも利用可能になるのです。私たちの望む進化が実現すれば、このような作業方法は根本から変わることでしょう。

今年のまとめとして、「Behind the screens」をチェックすることをおすすめします。繰り返しになりますが、当社による新たな可能性を持つインターネットの構築を各場面でサポートしていただいたお客様やコミュニティの皆様に感謝申し上げます。

投稿日

この記事は4分で読めます

興味がおありですか?
エキスパートへのお問い合わせ
この投稿を共有する

Tyler McMullen は Fastly の CTO として、システムアーキテクチャを担当し、当社のテクノロジービジョンを指揮しています。Fastly の設立メンバーである Tyler は、Fastly のインスタントパージシステム、API、リアルタイム分析機能の初期バージョンを構築しました。彼は自称「気難しい技術屋」で、Web デザインからカーネル開発にいたるまであらゆる経験を積んでいながら、そのすべてを嫌っています。なかでも分散型システムを毛嫌いしているようです。

Fastly試してみませんか ?

アカウントを作成してすぐにご利用いただけます。また、いつでもお気軽にお問い合わせください。