瞬時のコンバージェンスとフェイルオーバーを確保しながら、コンテンツ対応ルーティングを実現。
あらゆるインフラ環境をサポートするコンテンツ対応ロードバランシング
このページでは
はじめに
アプリケーションの可用性やレジリエンスにおいてロードバランシングは重要な役割を果たしますが、既存のソリューションは、インフラストラクチャやサービスアーキテクチャの進歩に追いつけていません。ロードバランサーの市場は、アプライアンスベースのアプリケーション・デリバリー・コントローラー (ADC) とクラウドベースのソリューションで溢れています。ADC は初期のロードバランサーを進化させたもので、リアルタイムで柔軟にスケーリングできない、メンテナンスとサポートの費用が高いという問題がありながらも、現在最も広く使用されているロードバランサーです。一方、クラウドベースのロードバランサーはパフォーマンスとコストの両方において ADC よりも優れていますが、まだ多くの欠点を抱えています。
大半のクラウドベースのロードバランサーは DNS 上に構築されているため、IP アドレスに基づいたトラフィックのルーティングしかできません。こうしたソリューションではリクエストの中身を確認できないため、マイクロサービスアーキテクチャで単一の統一されたサービスを提供できません。さらに DNS ベースのソリューションは有効期限 (TTL) に依存します。TTL とは DNS ルックアップからのレスポンスをサーバーが指定した期間、キャッシュする仕組みです。このため、即応性とコントロールが失われます。瞬時のコンバージェンスが不可能であるというデメリットは、オリジンサーバーの障害発生時に特に大きな問題となります。TTL が DNS リゾルバで期限切れになり、リクエストが再ルーティングされるまで、ユーザーにエラーが返されます。
Key Differentiators
Content-aware routing with any number of custom rules for granular control
Multi-cloud and hybrid-cloud for high availability and redundancy
Direct traffic to or from servers instantly and programmatically
Instantly scale to multiple Tbps to mitigate thundering herd problem
Ready for use with containers and virtual instances
Fastly を選ぶ理由
Fastly のクラウドベースのロードバランサーでは、こうした課題を解決できます。DNS レイヤーではなくレイヤー 7 でロードバランシングの決定を行うため、すべてのリクエストに対して個々のアプリケーションに応じた決定が可能になります。フェイルオーバーの決定も、DNS キャッシュの期限が切れたときだけではなく、すべてのリクエストに対して実行されます。これにより、プライマリサーバーが利用できなくなった場合、フォールバックサーバーに迅速かつ自動的にフェイルオーバーできます。
Fastly のロードバランサーは、Fastly エッジクラウドプラットフォーム上に構築されているため、きめ細かいコントロール、即時スケールが可能な優れたスケーラビリティ、リアルタイムの可視性も得られます。配信ソリューション、DDoS、WAF など、他の Fastly のサービスも容易に追加できるので、アプリケーション全体で統合型アーキテクチャを提供することが可能です。Fastly のプラットフォームは IPv6 および HTTP/2 によるクライアントリクエストに対応しています。
コンテンツ対応ルーティング
Fastly は DNS ベースのソリューションとは異なり、コンテンツ対応ルーティング機能により、きめ細かいルーティング条件に基づいて HTTP/HTTPS リクエストをバランスよく振り分けることができます。いくつものカスタムルールを作成し、クライアントの位置情報、ユーザーのログインステータス、デバイスの種類、Cookie、URL パス、HTTP ヘッダーなど多様なリクエスト要素に基づいてトラフィックをルーティングすることが可能です。これによりアプリケーションアーキテクチャをより柔軟にサポートし、配信前にクライアントへのレスポンスを最適化できます。
Fastly のロードバランサーは、ランダム、ラウンドロビン、重み付きラウンドロビン、スティッキーセッションのハッシュなどさまざまな分散方式を利用し、サーバーへの負担を効率的に分散します。
インフラ環境に依存しないトラフィックの分散
Fastly は複数の IaaS (Infrastructure-as-a-Service)、データセンター、ハイブリッドクラウドにわたるトラフィックを効率的に管理します。Fastly をグローバル・サーバー・ロードバランサー (GSLB) として利用することで、地理的に分散したインフラストラクチャのデプロイ全体にわたってトラフィックをルーティングできます。また、各データセンターやクラウドリージョン内のローカル・サーバー・ロードバランサー (LSLB) としても機能します。
Fastly を使用してインフラストラクチャ全体でグローバルまたはローカルに負荷を分散
即時コントロール
Fastly の動的サーバー機能により、プログラムでサーバーの追加、削除、変更を行うことができ、VCL のバージョン管理が不要になります。また、API 経由でカスタムルーティングルールを追加、削除、変更することも可能です。ルーティング設定に対する変更は5秒以内にグローバルに反映されます。ロードバランサーサーバーの設定変更をプログラムによって実施できるので、CI/CD のワークフローにロードバランシングを組み込むことが可能になります。
瞬時のコンバージェンスとフェイルオーバーによって、TTL の期限が切れるのを待つことなく、リクエストが適切なサーバーから即座に送信されるようになります。HTTP ベースの自動ヘルスチェックでは、健全かつレスポンスが正常なサーバーだけにリクエストが送信されることを確認できます。リクエストの処理中にプライマリサーバーが利用できなくなった場合、別の利用可能なサーバーへのフェイルオーバーを行うかどうかを定義することもできます。
スケーラブルなトラフィック処理
Fastly のアーキテクチャでは、ロードバランサーが瞬時に数テラビット/秒 (Tbps) にスケールアップし、優れたコスト効率と透明性を維持します。Thundering Herd 問題の影響を受けやすい ADC や多くのエラスティックロードバランサーとは異なり、時間ベースのスケーリング制限や容量の制約はありません。つまり、予期せぬ大量のリクエストが発生しても、ロードバランサーに可用性の問題やパフォーマンス低下が生じることはありません。
お客様のユースケース
位置情報ベースのロードバランシングと瞬時の自動フェイルオーバー。Fastly では、位置情報に基づくルーティングルールの実装が可能です。オリジンサーバーのひとつが応答しなくなった場合、設定済みのフォールバックサーバーにリクエストが自動的に再ルーティングされます。
インフラストラクチャ内で容易にデータを移行。複数のロケーションでコンテンツを探すように Fastly を設定して迅速にシームレスな移行を実現し、満足度の高いユーザー体感品質を維持することができます。
本番環境でも安心してソフトウェアのカナリアテストを実施。Fastly では、リクエストの任意の要素またはランダムな選択に基づいて、ごく一部のトラフィックを使用してソフトウェアをテストできます。Fastly のリアルタイムログはトラフィック全体を完全に可視化できるので、自信の度合いに基づいてサーバーへのトラフィックの割合を柔軟に増減させることができます。
関連リソース
Gannett は、DNS ベースのロードバランサーではなく、Fastly のロードバランシング機能を選びました。
FuboTV は Fastly を使用して、10万件におよぶグローバルライブストリーミングの配信と API の高速化を実現しています。
より強力なグローバルネットワーク
Fastly のネットワークが目指す先は、より優れた効率性です。配信拠点 (POP) を戦略的に設置することでオンデマンドのスケーラビリティを実現し、大規模なイベントやトラフィックスパイクの発生時でもシームレスな配信が可能です。ネットサーフィン、動画鑑賞、ショッピング、ビジネスなど、ユーザーがどこで Web を利用していても、信頼性の高いパフォーマンスと安心をお届けします。
313 Tbps
エッジネットワーク容量1
150ミリ秒
平均パージ時間2
1.8兆以上
1日あたりのリクエスト処理数4
約90%のお客様
ブロックモードで Fastly の NG WAF を使用3
2023年6月30日現在
2022年3月31日現在
2021年3月31日現在
2023年7月31日現在